terraform-module-library
作成者 wshobsonterraform-module-libraryは、AWS、Azure、GCP、OCI向けに再利用しやすいTerraformモジュールを設計するためのスキルです。標準化された構成、サンプル、テストを備えており、保守しやすいクラウドアーキテクチャの実装を進めやすくします。
このスキルの評価は76/100で、ディレクトリ掲載候補として十分に堅実です。エージェントが起動しやすい明確なトリガー、認識しやすいTerraformモジュール構成、そして汎用的なプロンプトより手探りを減らせる具体的なプロバイダーパターンがそろっています。一方で、実案件に合わせた実装の詳細は、引き続きユーザー側で補う必要があります。
- フロントマターと「When to Use」ガイダンスが、AWS、Azure、GCP、OCIにまたがる再利用可能なTerraformモジュール用途に明確に寄っており、呼び出しどころが分かりやすいです。
- 標準的なモジュール構成、サンプルファイル、Terratestの配置方針が示されており、エージェントがそのまま土台として使いやすい実務的な構成です。
- 参照ドキュメントにはクラウド別の実践パターンやベストプラクティスが含まれており、とくにAWSとOCIのモジュール設計で有用です。
- 対応範囲にはばらつきがあります。スキル自体はAWS、Azure、GCP、OCI対応をうたっていますが、参照できるサポート情報はAWSとOCIに限られています。
- インストールコマンドや実行可能な補助ファイルはなく、導入時はガイド付きワークフローを実行するというより、主にSKILL.mdを読んで活用する形になります。
terraform-module-library スキルの概要
terraform-module-library でできること
terraform-module-library スキルは、使い捨ての .tf ファイルを作るのではなく、クラウドインフラ向けの再利用可能な Terraform モジュールを設計するためのスキルです。AWS、Azure、GCP、OCI 向けに社内モジュールカタログを整備したいチームに向いており、モジュール構成、サンプル配置、テスト方針を一貫した形で揃えやすくなります。
terraform-module-library を使うべき人
特に相性が良いのは、VPC/VNet、Kubernetes、データベース、ストレージ、ロードバランサーなどの Terraform の部品を、繰り返し使える形で整えたいプラットフォームエンジニア、クラウドアーキテクト、DevOps チーム、コンサルタントです。単一環境のスタックを出したいのではなく、保守しやすいモジュールリポジトリの形で成果物を揃えたい場合に、terraform-module-library は特に有効です。
実際に解決したい仕事は何か
多くのユーザーが欲しいのは、抽象的な意味での「Terraform コード」ではありません。あとから別のチームが安全に利用できるように、入力、出力、バージョン、サンプル、テストが明確なモジュールです。terraform-module-library の価値は、会話の焦点を単なるリソース記述ではなく、モジュールのインターフェース、デフォルト値、構成の分離、プロバイダーごとの実践的な設計に向けてくれる点にあります。
このスキルが他と違う理由
最大の差別化ポイントは、構造が明確なことです。元のソースでは、main.tf、variables.tf、outputs.tf、versions.tf、README.md、examples/complete、tests を含む標準的なモジュール構成がはっきり示されています。さらに AWS と OCI についてはクラウド固有の参照ガイドもあり、単なる「Terraform を書いて」という汎用プロンプトより、具体的な方向づけがしやすくなっています。
terraform-module-library が強くハマる場面
次のようなときは terraform-module-library が有力です。
- 再利用可能なモジュールをゼロから作りたい
- チーム間でモジュール構成を標準化したい
- クラウドプロバイダーごとの慣例を 1 つのモジュールインターフェースに落とし込みたい
- モジュール本体と一緒にサンプルやテストも整えたい
- 複数環境にまたがる Cloud Architecture 業務向けにモジュールライブラリを作りたい
向いていないケース
次のような用途だけが目的なら、このスキルはやや不向きです。
- 1 ファイルですぐ試せる Terraform の PoC を作りたい
- 実運用中の依存関係を多数含むフル環境構成を作りたい
- 参照資料を超えるレベルで、プロバイダー固有の深い実装知識が必要
- モジュール向けのデプロイ自動化、CI/CD、リリース設計まで欲しい
terraform-module-library スキルの使い方
terraform-module-library の導入コンテキスト
スキルは wshobson/agents リポジトリからインストールします。
npx skills add https://github.com/wshobson/agents --skill terraform-module-library
その後、エージェント環境から呼び出すときは、「インフラコード」ではなく「再利用可能な Terraform モジュール」が欲しいことを明確に伝えてください。このスキルは Terraform provider や CLI plugin として入るものではなく、モジュール指向の出力を得るためのプロンプトベースのガイダンスとパターン集です。
プロンプト前にまず読むべきファイル
最初に確認したいのは次の 3 つです。
plugins/cloud-infrastructure/skills/terraform-module-library/SKILL.mdplugins/cloud-infrastructure/skills/terraform-module-library/references/aws-modules.mdplugins/cloud-infrastructure/skills/terraform-module-library/references/oci-modules.md
SKILL.md には、狙うべきモジュール構成が示されています。参照ファイルには、実践的なモジュール候補やベストプラクティスがまとまっており、特に AWS のデフォルト設計や OCI のインターフェース設計を具体化するのに役立ちます。
うまく機能させるために必要な入力
terraform-module-library スキルは、次の情報を渡すと精度が上がります。
- クラウドプロバイダー: AWS、Azure、GCP、OCI
- モジュール種別: VPC、EKS、RDS、object storage、load balancer など
- 想定利用者: platform team、app teams、shared services
- 必要な inputs と outputs
- セキュリティ要件: encryption、IAM、logging、backups
- 命名規則と tagging 標準
- Terraform と provider のバージョン制約
- examples と Terratest のひな形が必要かどうか
これらがないと、もっともらしいモジュール形状は出ても、インターフェース設計が弱くなりがちです。
あいまいな要望を強い terraform-module-library プロンプトに変える
弱いプロンプト:
Create a Terraform module for AWS networking.
より良いプロンプト:
Use terraform-module-library to design a reusable AWS VPC module for internal platform teams. Include main.tf, variables.tf, outputs.tf, versions.tf, README.md, examples/complete, and tests/module_test.go. Support public and private subnets, NAT gateways, route tables, VPC flow logs, standard tags, and encryption where applicable. Target Terraform 1.x and aws provider ~> 5.0. Expose outputs needed by EKS and RDS modules. Keep the interface stable and avoid environment-specific values.
後者のほうが出力品質が上がるのは、利用者、互換性、対象範囲、他モジュールとの接続先が明確になるからです。
実案件でのおすすめワークフロー
実務での terraform-module-library usage は、次の流れが実用的です。
- まず 1 つのモジュール境界を決める
- 最初に公開インターフェースを定義する
- provider / version 制約を明示する
- モジュールのフォルダ構成を出させる
- 実装詳細より先に
variables.tfとoutputs.tfを固める - 利用者が理解しやすいよう
examples/completeを追加する - 基本検証用に
tests/module_test.goを追加する - デフォルト値、任意機能、outputs を反復調整する
この順序にすると、入力が不安定で肥大化したモジュールになりにくくなります。
リソース数より先にインターフェース設計から始める
よくある失敗は、「全部入りにして」と頼んでしまうことです。再利用可能なモジュールで重要なのは、リソース数より API のきれいさです。
- どの入力が必須か
- どのオプションが安全なデフォルトか
- どの出力が下流モジュールの合成に効くか
- どの機能をスコープ外に残すべきか
たとえば AWS の VPC モジュールなら、subnet IDs や VPC ID を素直に取り出せることが重要です。OCI のネットワークモジュールなら、compartment に関する入力を明示的に持ち、他モジュールで必要になる OCIDs を返す設計が求められます。
組み込みの provider 参照を活かすコツ
AWS の参照は、次のようなモジュールで特に有用です。
vpceksrdss3alblambdasecurity-group
あわせて、実運用で重視されやすいデフォルトも示されています。たとえば provider ~> 5.0、暗号化のデフォルト有効化、最小権限の IAM、tagging、logging、backups、AWS Well-Architected に沿った考え方です。
OCI の参照は、terraform-module-library for Cloud Architecture の作業で次のような要件があるときに役立ちます。
- compartment を明示的にモデリングする
- 広い security lists より NSGs を優先する
- dynamic groups と最小権限 IAM を使う
- 合成しやすいように OCIDs を公開する
- logging、metrics、backup のデフォルトを持たせる
モジュールのひな形を明示して依頼する
このスキルは、標準パターンを明示して出させると一番効果を発揮します。
main.tfvariables.tfoutputs.tfversions.tfREADME.mdexamples/complete/main.tfexamples/complete/variables.tftests/module_test.go
このひな形を明示しないと、多くのエージェントは docs、examples、tests を省きがちで、結果として再利用性が落ちます。
出力品質を上げる実践的なプロンプトパターン
次のような依頼の仕方が有効です。
Generate only the module interface first: variables, outputs, versions, and README table.Keep environment values out of the module and move them to examples.Mark optional features clearly and prefer secure defaults.Show how this module composes with EKS, RDS, or OKE consumers.Explain which features should be separate modules instead of inlining everything.
こうしたパターンは、境界を明確にし、過剰に盛り込まれたモジュールを防ぐのに効きます。
初稿で確認すべきポイント
出力を採用する前に、次を確認してください。
- variable 名は安定していて読みやすいか
- outputs は下流モジュールに十分か
- 実用上無理のない範囲で secure defaults が有効になっているか
- example は本当に利用可能な形になっているか
- tests はモジュールのインターフェースに沿っているか
- 再利用可能なモジュールに environment stack のロジックが混ざっていないか
ここを見ておくと、導入初期でよくあるつまずきをかなり防げます。
terraform-module-library スキル FAQ
terraform-module-library は初心者にも向いている?
はい。Terraform モジュールの構造を学びたいなら有用です。レイアウトが明確で、具体的なモジュール例もあります。ただし、provider 引数、リソースの挙動、テスト実行を自分で検証するための基本的な Terraform 知識は必要です。
AI に Terraform を書かせるのと何が違う?
汎用的なプロンプトだと、モジュール境界が弱いまま resource コードだけが返ってくることがよくあります。terraform-module-library skill は、再利用可能なインターフェース、examples、tests、ライブラリ向けの構成が必要な場面でより有効です。コード量を増やすというより、保守性を上げることに価値があります。
terraform-module-library は Terraform に何かインストールするの?
いいえ。terraform-module-library install で追加されるのは Terraform 自体ではなく、エージェントの作業フローに組み込むスキルです。terraform fmt、terraform validate、テスト、provider 初期化といった通常の Terraform ツール実行は、引き続き自分の環境で行います。
どのクラウドプロバイダーのサポートが強い?
スキルとしては AWS、Azure、GCP、OCI を高水準で対象にしています。ただし、リポジトリ上の根拠として具体的な参照ファイルがあるのは AWS と OCI なので、現時点ではこの 2 つが最もガイダンスが強いと考えられます。
terraform-module-library は本番用途に向いている?
本番運用を見据えたモジュールの設計・生成補助としては十分使えます。特に testing、examples、versions、secure defaults を重視している点は実務向きです。ただし、provider の公式ドキュメント確認、validation 実行、組織のポリシー適用、CI チェックは別途必要です。
terraform-module-library を避けるべきなのはどんなとき?
次のような要件が主目的なら、別の手段のほうが向いています。
- 実運用のフル live environment root module が必要
- 深い policy-as-code や CI pipeline 設計が必要
- 参照資料で触れていない高度な provider のエッジケースを扱う
- module registry 向けの、強い方針を持った release / version 公開フローが必要
terraform-module-library スキルを改善する方法
モジュールのスコープをもっと狭くする
terraform-module-library の結果を最も手早く良くする方法は、モジュール境界を 1 つに絞ることです。「a full networking and app platform library」ではなく、「an AWS ALB module」や「an OCI Object Storage module」のように依頼してください。スコープが狭いほど、インターフェースはきれいになり、前提の食い違いも減ります。
下流の利用者を明示する
そのモジュールに何が依存するのかを伝えてください。たとえば次のように指定します。
This VPC module must support EKS and RDS consumers.This OCI VCN module must expose subnet and security outputs for OKE.
これだけで出力品質は変わります。outputs が汎用的な羅列ではなく、利用目的を持った設計になるからです。
譲れない標準を最初に書く
次のような基準は最初から明示しておくのが効果的です。
- provider versions
- tag schema
- encryption defaults
- backup/logging requirements
- IAM least-privilege expectations
- compartment または account boundary のルール
このスキルはもともとこうした観点を重視しやすいですが、明文化しておくと後工程の手直しが減ります。
再利用ロジックと examples を分離する
よくある失敗は、環境固有の値が再利用モジュールに入り込むことです。初稿を改善するときは、次のように依頼すると効果的です。
- 固定の CIDRs、names、environment labels は
examples/completeに移す - module variables は汎用的で型付きに保つ
- outputs はデバッグ用のノイズではなく、合成に必要なものに絞る
こうすると、公開しやすく再利用しやすいモジュールになります。
追加要件だけでなく、除外すべきことも聞く
より良い terraform-module-library guide の使い方は、「何を入れるか」だけでなく「何を入れないか」も確認することです。たとえば次のような判断です。
- security groups は VPC module から分離する
- network modules に database 設定を抱き合わせない
- IAM が重すぎて責務が増えるなら別 module に分ける
こうした問いかけが、巨大な “kitchen sink” モジュール化を防ぎます。
2 回目のやり取りでテストとドキュメントを強化する
最初の出力のあと、次の成果物を追加で求めてください。
- usage と inputs/outputs を簡潔にまとめた
README.md - 現実的な
examples/completeを 1 つ - 最小限の
tests/module_test.go - edge cases と upgrade-safe defaults に関するメモ
生成モジュールがチームに採用されるかどうかは、こうした補助成果物で決まることが少なくありません。
クラウド固有の前提を検証する
AWS なら、暗号化、logging、tagging、provider ~> 5.0 といったパターンに沿っているかを確認してください。OCI なら、compartment の明示的な扱い、OCID outputs、NSG 優先、observability のデフォルトが入っているかを見ます。これは terraform-module-library usage の品質を大きく底上げする、特に効果の高い確認ポイントです。
全再生成ではなく差分ベースで改善する
毎回すべてを書き直させるのではなく、絞った修正依頼を出すほうが安定します。たとえば次のような形です。
Tighten variable types and validations.Reduce required inputs to the true minimum.Add outputs needed by downstream EKS consumers.Refactor optional features behind booleans or maps.Split this into two modules if responsibilities are mixed.
この進め方のほうが、全面的な再生成を繰り返すより着実に品質を上げられます。
