k8s-security-policies
作成者 wshobsonk8s-security-policiesは、リポジトリに基づくテンプレートと参照情報を使って、KubernetesのNetworkPolicy、Pod Security Standardsラベル、RBACパターンの設計を支援し、セキュリティ強化と監査を見据えた展開計画を進めやすくします。
このスキルの評価は78/100で、完全自動化されたワークフローというより、再利用しやすいKubernetesセキュリティポリシーの指針を求めるユーザーに適した掲載候補です。リポジトリには、Pod Security Standards、NetworkPolicy、RBACにまたがる明確な発動条件と実務向けの十分な情報が含まれており、汎用的なプロンプトよりも試行錯誤を減らせる見込みがあります。一方で、導入時には自分たちのクラスタ構成やKubernetesのバージョンに合わせて、例を調整する前提で考える必要があります。
- トリガー条件が明確です。説明文と「When to Use」セクションから、セキュリティ強化、ネットワーク分離、RBAC、admission control、マルチテナントクラスタといった利用場面がはっきり読み取れます。
- 再利用しやすい構成です。SKILL.mdに具体的なYAML例があり、さらにリポジトリにはnetwork policyのテンプレートファイルと、別途RBACパターンのリファレンスも用意されています。
- 導入判断に役立つだけの信頼感があります。複数のKubernetesセキュリティ領域を、適合性を見極められるだけの深さと構成でカバーしています。
- 一部のポリシー内容は、Kubernetesのバージョンを踏まえて解釈する必要があります。特に、PodSecurityPolicyがPod Security Standardsと並べて言及されている一方で、ここでは移行ガイダンスの有無を確認できません。
- 運用面の実行支援はドキュメント中心にとどまります。スクリプト、インストールコマンド、ポリシーを一通り適用・検証するための組み込み手順は用意されていません。
k8s-security-policies スキルの概要
k8s-security-policies が実際に役立つこと
k8s-security-policies スキルは、一般的なプロンプトよりも速く、実際に使えるポリシーマニフェストを必要とするチーム向けの Kubernetes ハードニング支援ツールです。対象は、実運用のクラスターでセットで導入されることが多い 3 つの実務領域に絞られています。具体的には、NetworkPolicy、Pod Security Standards ラベルによる Pod セキュリティ適用、そして最小権限アクセスを前提にした RBAC パターンです。
向いているユーザーと実際の導入目的
この k8s-security-policies スキルが特に合うのは、プラットフォームエンジニア、DevSecOps チーム、クラスター運用者、そして namespace 単位のセキュリティ制御を準備・レビューする監査担当者です。求められている仕事は「Kubernetes セキュリティを説明すること」ではなく、次のような課題に対して「セキュリティ要件を具体的な YAML と展開手順に落とし込むこと」です。
- default-deny によるネットワーク分離
- namespace のセキュリティ水準の選定
- service account のアクセス範囲の絞り込み
- コンプライアンスを意識したポリシーベースライン作成
- マルチテナントクラスターの分離設計
ふつうのプロンプトではなくこれを選ぶ理由
k8s-security-policies の主な強みは、構造化されていることです。よくある Kubernetes ポリシー判断を前提に論点が整理されており、assets/network-policy-template.yaml や references/rbac-patterns.md といった再利用しやすいソースも用意されています。概念説明だけでなく、出発点になるマニフェストが欲しい場面で手探りを減らせます。
k8s-security-policies が得意なカバー範囲
k8s-security-policies が特に強いのは次の領域です。
- Pod Security Standards ラベル:
privileged、baseline、restricted - default deny、DNS egress、ingress-controller からのアクセス、アプリ間通信などの基本的な
NetworkPolicyパターン - read-only、namespace admin、deployment 管理、限定的な secret アクセスといった RBAC 例
インストール前に知っておきたい重要な制限
k8s-security-policies はパターンライブラリであり、クラスター検査ツールではありません。実行中のワークロード、CNI の挙動、admission 構成、クラウド固有のネットワーク設定を自動で調べてくれるわけではありません。namespace 名、ラベル、通信フロー、service account の要件、Kubernetes バージョンなどは自分で与える必要があります。何を分離し、何を許可すべきかがすでに見えているときに最も力を発揮します。
k8s-security-policies スキルの使い方
k8s-security-policies スキルのインストール前提
上流の SKILL.md には専用のインストールコマンドは記載されていないため、wshobson/agents リポジトリに対する通常の skills 導入フローで k8s-security-policies を選びます。よくある CLI パターンでは、たとえば次の形式で導入するケースが一般的です。
npx skills add https://github.com/wshobson/agents --skill k8s-security-policies
インストール後は短い説明文だけで判断せず、スキル内のファイルを直接確認するのがおすすめです。
まず読むべきファイル
この k8s-security-policies guide を使いこなすうえで、読む順番として価値が高いのは次の 3 つです。
plugins/kubernetes-operations/skills/k8s-security-policies/SKILL.mdplugins/kubernetes-operations/skills/k8s-security-policies/assets/network-policy-template.yamlplugins/kubernetes-operations/skills/k8s-security-policies/references/rbac-patterns.md
この順番が重要な理由は次のとおりです。
SKILL.mdで、このスキルがどの制御領域を想定しているかが分かる- asset ファイルでは、そのまま叩き台にできる network policy の雛形を確認できる
- RBAC の reference では、動詞や権限セットをゼロから考えずに済む実践的な権限パターンを流用できる
k8s-security-policies に渡すべき入力情報
k8s-security-policies usage の品質は、渡す入力に大きく左右されます。最低限、次の情報は用意したいところです。
- Kubernetes バージョン
- namespace 名
- Pod に付いている workload ラベル
- 必要な ingress / egress の通信フロー
- クラスターで Pod Security Standards をすでに強制しているか
- 存在する service accounts と、それぞれが実際に必要とする操作
- クラスターがシングルテナントかマルチテナントか
- コンプライアンスや監査上の目標があるか
これらがなくてもスキルはサンプルを作れますが、安全に適用するには汎用的すぎる内容になりがちです。
あいまいな要望を強いプロンプトに変える
弱いプロンプト:
“Secure my Kubernetes cluster.”
より良いプロンプト:
“Use k8s-security-policies to propose namespace-level security for a production cluster on Kubernetes 1.28. We have namespaces frontend, backend, and monitoring. Apply Pod Security Standards, create default-deny network policies with only required traffic allowed, and design RBAC for a CI service account that can deploy to backend but cannot read arbitrary secrets. Show YAML and explain tradeoffs.”
このプロンプトが優れているのは、対象範囲、ポリシーのゴール、そしてリポジトリ内のどのパターンを使うべきか判断できるだけのリソース文脈を与えているからです。
Security Audit 用途での最適な進め方
k8s-security-policies for Security Audit として使うなら、ランダムにマニフェスト生成を依頼するより、ギャップ分析型の進め方が有効です。
- 現在の namespaces と workloads を説明する
- 許可される通信経路を列挙する
- 存在する service accounts を明示する
- 現在の状態が
privileged、baseline、restrictedのどれに当たるか分類させる - 不足している制御と導入順序を出させる
- 承認した目標状態に対してのみ YAML 例を要求する
この流れにすると、監査担当者やプラットフォームチームがレビューしやすい出力になりやすいです。
network policy テンプレートをうまく使う
assets/network-policy-template.yaml は、このスキルの中でも特に実用性が高いファイルです。まずは次の順で組み立てると使いやすくなります。
- default deny
- DNS egress
- workload 間の明示的な許可
- ingress-controller の例外
- Prometheus などが scrape する場合の監視アクセス
ここで導入のボトルネックになりやすいのがラベルです。Pod に安定した意味のあるラベルが付いていないと、生成されるポリシーは壊れやすくなります。テンプレートベースの分離に頼る前に、まずラベル設計を整えるべきです。
RBAC パターンを安全に使う
RBAC の reference が役立つのは、read-only、namespace admin、deployment manager、限定的な secret reader など、よくある権限の型がまとまっているからです。実在するアクターに必要な最小ルールセットをそこから組み立て、広すぎる動詞や wildcard リソースは、正当な理由がない限り削っていくのが基本です。
相性のよいプロンプト例は次のとおりです。
“Using references/rbac-patterns.md as the starting point, create a Role and RoleBinding for service account deploy-bot in namespace production. It needs to update deployments and read pods, but must not access secrets, configmaps outside its app, or cluster-wide resources.”
Pod Security Standards は生成前に先に決める
このスキルの実用的な強みのひとつは、Pod セキュリティを Pod Security Standards の namespace ラベルという形で整理してくれる点です。YAML を出させる前に、各 namespace を次のどれにするか決めておくと精度が上がります。
- 例外的なインフラ系 workload 向けの
privileged - 幅広い互換性を保ちつつ一定の保護をかける
baseline - デフォルトのハードニングを最も強くしたい場合の
restricted
この判断を飛ばすと、出力は一般論のハードニング助言に流れやすくなります。逆に明示しておけば、namespace ラベルに加えて、互換性上の懸念まで説明させやすくなります。
k8s-security-policies で一式出力させる実践プロンプト
堅実な k8s-security-policies skill プロンプトには、通常次の要素を含めます。
- クラスターのバージョンと CNI
- namespaces と workload ラベル
- 許可する通信マトリクス
- namespace ごとの目標 Pod Security レベル
- service accounts と必要な操作
- 欲しい出力がサンプル、production-ready YAML、監査チェックリストのどれか
例:
“Use k8s-security-policies to produce a phased hardening plan. Cluster: Kubernetes 1.27, Calico. Namespaces: payments, orders, ingress-nginx. Target posture: restricted for app namespaces, baseline for ingress. Traffic allowed: ingress controller to app port 8443, app to DNS, app to PostgreSQL in data namespace on 5432, Prometheus scraping on 9090. Create NetworkPolicies, namespace labels, and RBAC for read-only auditors and a deployment bot.”
先に確認したい導入上の制約
この k8s-security-policies install を本格的に使う前に、少なくとも次を確認してください。
- 使用中の CNI が実際に
NetworkPolicyを強制できるか - workloads が Pod Security の制限に耐えられるか
- namespace ラベルが一貫しているか
- namespace をまたぐ通信要件を把握できているか
- RBAC の subject が、実在するユーザー・グループ・service account に紐づいているか
導入に失敗するケースの多くは、通信棚卸しが終わる前に secure default を適用しようとしてしまうことが原因です。
k8s-security-policies スキル FAQ
k8s-security-policies は初心者にも向いていますか?
はい。ただし、Kubernetes の基本オブジェクトを理解していることが前提です。k8s-security-policies は学習教材というより実務向けで、初心者でもポリシー雛形を作る助けにはなりますが、namespace と service account の違いが分かり、自分の環境で YAML を検証できることは求められます。
どんな場面で通常の AI プロンプトより有利ですか?
k8s-security-policies は、Kubernetes の代表的なセキュリティ部品に沿った「ポリシーとして使える出力」がほしいときに向いています。通常のプロンプトは概念説明には強くても、namespace ラベル、NetworkPolicy、RBAC 例を、よくあるセキュリティタスクに結び付けて構造的に出す点ではこのスキルのほうが有利です。
PodSecurityPolicy もサポートしていますか?
説明文には PodSecurityPolicy への言及がありますが、現在の Kubernetes では Pod Security Standards ラベルが主流です。公開されているソース内容も、明確に Pod Security Standards を重視しています。古い PSP を前提にした支援が必要なら、クラスターのバージョンを確認したうえで明示的に依頼するべきです。
本番変更にそのまま使えますか?
レビューなしでは使うべきではありません。k8s-security-policies はドラフトマニフェストやポリシー設計には強い一方で、本番適用には live なアプリ挙動、CNI の意味論、admission controls、ロールアウト順序との照合が不可欠です。
Kubernetes セキュリティ全体をこれだけでカバーできますか?
いいえ。k8s-security-policies は重要なクラスター・ポリシー制御を扱えますが、イメージスキャン、シークレット管理、ランタイム検知、ノードハードニング、サプライチェーン対策、クラウド IAM 設計の代替にはなりません。
k8s-security-policies を使わないほうがよいのはどんな場合ですか?
主な目的がクラスターのフォレンジック、live な設定不備の発見、あるいはクラウドプロバイダー固有のセキュリティアーキテクチャ設計であるなら、k8s-security-policies は適しません。このスキルは未知のリスクを自動発見する用途ではなく、ポリシー成果物の作成と改善に向いています。
k8s-security-policies スキルを改善するには
あいまいな分離目標ではなく通信マトリクスを渡す
k8s-security-policies usage を最も手早く改善する方法は、誰が誰と、どのポートで、どの namespace をまたいで通信するのかを明示することです。「サービスを分離したい」では曖昧すぎます。「frontend から backend への 8080 の通信を許可し、DNS egress を許可し、それ以外はすべて拒否」と書けば、すぐにポリシーへ落とし込めます。
正確なラベルと ID を渡す
このスキルは、次の情報があると精度が大きく上がります。
- selector で使う pod labels
- namespace labels
- service account 名
- binding に使う user / group identities
これがない場合、生成された YAML は手動で selector や subject を手直ししないとデプロイしづらいことが多いです。
一括の大きなポリシーダンプではなく段階導入を依頼する
より良い依頼例は次のようなものです。
“Create a phase 1 default-deny plus DNS policy, then phase 2 app-to-app allowances, then phase 3 monitoring and ingress-controller exceptions.”
こうしておくと、通信断のリスクを抑えやすく、レビューもしやすくなります。
プロンプトで最小権限 RBAC を明示的に要求する
最小権限を明示しないと、RBAC 例が必要以上に広くなることがあります。たとえば次のように書くと効果的です。
“Prefer namespace-scoped Role over ClusterRole unless required. Avoid wildcard verbs and resources. Explain each permission.”
この一文を入れるだけでも、レビューのしやすさと監査品質はかなり上がります。
互換性リスクの説明も求める
より実用的な出力にしたいなら、次のような警告も出すよう依頼すると有効です。
restrictedで失敗しそうな workloads- 追加権限が必要な init containers
- hostPath や privileged container と競合する点
- egress deny で壊れるアプリ
- 明示的な ingress / egress 許可が必要な controllers
こうした情報が入ると、k8s-security-policies guide の出力は単なる YAML のコピーよりもずっと価値が高くなります。
実際のマニフェストをもとに反復する
最初のドラフトの次に最も効果的なのは、現在の namespace ラベル、既存の NetworkPolicy、現在の RBAC オブジェクトをフォローアップのプロンプトに貼り付け、差分ベースで改訂させることです。ゼロから新規作成させるより、今ある状態を直させたほうがレビュー品質は大きく向上します。
リポジトリアセットは参考資料ではなく制約として使う
モデルに対して、assets/network-policy-template.yaml や references/rbac-patterns.md を出発点として使い、そこから調整するよう明示してください。そうすることで、このスキルが持つ最も強いソースに出力を anchored でき、作り込みすぎた独自パターンを減らしやすくなります。
k8s-security-policies でよくある失敗パターン
k8s-security-policies を使う際は、次の点を特に確認してください。
- selectors が実際のラベルに一致していない
- DNS ルールが実環境の DNS 構成を反映していない
- 存在しない namespace ラベル前提の namespace selectors になっている
- RBAC 付与で不要に
*を使っている - workload の例外事情を無視したセキュリティ姿勢を勧めている
こうした問題が出たときは、長いプロンプトにすることよりも、環境情報を具体的に渡すことのほうが改善策として有効です。
